一炊の夢
残業計算の締めでバタバタしている最中、ふーちゃんから内線が。
「未亜さん。私、今月で辞めるんだけど発表前に先に伝えとくね」
ふーちゃんはご存知の通り、合併前の社長で元上司。そして結局今も上司という濃い縁で結ばれた人です。合併して一事業部長になった直後の彼の憤りはすごかった…。当初は会社に対する不満を何時間も聞いたような気がします。近い将来、この会社を去るんだろうなとは思っていましたがこんなに早くとは。
彼が入社して来たのは2002年4月。入社の経緯は詳しく言えないけど、少なくとも私の部署に配属されるような経歴ではなく、彼本人もCROを望んでいました。私を含め、たった7人の部署に配属され彼も何をして良いのか戸惑っていたし、私も彼が何をする人なのかさっぱりわからない状態。多分、適任者が見つからないってことで私の部署の部長になったんでしょうね。CRA一筋でやってきた彼は経営については全くの素人。でもそこはT大の薬学部出身の脳なので、短期間に経営学を習得されていました。管理系の素晴らしい人材や優秀なCRAの方も次々に入社し、あっという間に売上高が右肩上がりの部署となりました。その分、私達は馬車馬のように働きましたけど…![]()
彼の入社当時の言葉で印象に残っている一言があります。
「私は以前の会社でとても横暴だった。そうしたら部下が誰も協力してくれなくなって人生でとても辛い時期を過ごしたんだ。だから改心してこの会社では周りの意見を聞いてやって行こうと思ったんだ」
そして2年後に部署の分社化。彼は一企業の代表取締役社長となりました。毎週、休日出勤をして誰よりも働いている彼を見て尊敬の念を抱いていました。でも人間の根本はなかなか変わらない。年月が経つと彼の横暴さが少しずつ顔を見せ始めました。会社に対する厳しい意見を言う社員は後ろ向きな人物と捉え、前向きな意見を言う社員だけがこの会社に必要だという偏った考えを持っていました。それなのに曖昧な判断や都合の良い規定を決定する部長を咎めず、不透明な経費を認める、そんな納得のいかない事も多々ありました。私は経費管理や規定を作る業務にも関わっていたので、何度かおかしいと訴えた事もありました。でもいつも彼がキレてしまい話し合いにならないという始末。そしてグループの上層部に対する嫌悪感を露にする言葉も多くなっていました。私のような下っ端の人間に社長クラスの人間がそんな愚痴を言うべきではないと思いながら、抱えきれない彼の苦悩も感じていました。
市場が飽和状態になったこと、不景気によるクライアントの人員削減、社員の就業環境の不満による退職など様々な要因で右肩上がりの売上げも横這い状態、更には下降していくと言う事態に陥りもちろんの事、彼がその経営責任を問われることに。そして合併と共にこの事業から外された彼。一時期は素晴らしい成績を残し、会社は社長賞を受賞したこともありました。みんなで彼を囲んで写真を撮ったことを今でも覚えています。
彼にはチャンスがたくさんあったはず。それなのに忠告を後ろ向きと切り捨て、問題点に目を向けないようにしていた結果なのかもしれません。
私自身は彼にとても目を掛けてもらっていたし、見えないところで守ってくれていたと思うので欠点はわかっていても彼が事業部長を外された時はとても寂しく感じました。会社が失くなる時の解散会では代表でメッセージを書かせて頂き渡しましたが、一緒に苦労した時のことを思い出して涙が止まりませんでした…。
メッセージカードには『たくさんの喜びと感動をありがとうございました』と書きました。オリンピックイヤーだったから影響大ですね 笑。
彼の無理難題な業務依頼に苦労させられた事も今では私の力となっています。
私みたいな何もわかっていない人間が偉そうに言う事ではないのですが…、彼には恨みを原動力にしないで欲しいと思います。あなたに感謝している人間はいるから、そんな哀しい思いを抱いてこれからを生きて欲しくないと。
一緒に仕事を出来た事を感謝します。本当にお疲れ様でした。
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コメント
未亜さん こんにちは!
ふーちゃんが会社を去る理由はこういう事なんだね。
私は波に乗っている彼しか知らないので、正直ビックリしました。
エラい立場ながら努力している姿には『スゴいなぁ』と感じていたけど、やはり突然キレる姿にはサーッと冷めるものが。
改心しようと心に決めた頃の気持ちをいつの間にか忘れてしまったんだね。
でも、そんな彼が未亜さんを同僚として頼り(甘えかな?)にし、信頼していたのは確かです。
愚痴を聞いたり、彼の指示するたくさんの仕事をこなしていた未亜さん、お疲れさまでした(^_^)
ふーちゃんが次のお仕事では少しでも改心できるといいね。
投稿: りょうりょ | 2009年2月12日 (木) 05時29分
りょうりょちゃん、こんちは!
今の彼は怒りと哀しみに支配されていてりょうりょちゃんが知っている頃の彼とは違うかも。
功績を残したことを自分の力と過信している発言も多くなってたし。みんなで作り上げたことを忘れてしまったんだろうね。それが高い退職率に繋がったような気がするよ…。
そんな彼もりょうりょちゃんの事が大好きで今も「りょうりょちゃんみたいな人をアドミに入れたい」なんて言ってるの。ちょっとジェラシー 笑。
一緒に仕事を始めたあの頃の彼に戻ってくれることを願うばかりです。
来月、楽しみにしてます♪
投稿: mia | 2009年2月12日 (木) 08時22分